トヨタがイスラム債発行

今朝の朝刊から。

トヨタイスラム債発行・マレーシアで320億円枠設定

 トヨタ自動車はマレーシアでイスラム債(スクーク)を発行する。全額出資の金融統括会社を通じて10億リンギ(約320億円)の発行枠を設定し、月内にも発行を始める。調達した資金はイスラム方式の自動車リースやローン向けに使う。同国で自動車人口の増加とともに資金需要が高まっており、調達手法の幅を広げる。

 スクークはイスラム法が禁止する利子の受け払いを排除し、購入する投資家が投資収益の形で運用益を得る金融商品。日本企業ではイオンクレジットサービスがすでに発行しており、トヨタが続くことで活用の動きが広がりそうだ。

イスラム金融は、コーランの教えに従い「利子をとらない金融形態」と聞いていたので、記事の「運用益」とか「投資収益」という言葉を見て、はて…と思った。


調べてみると、イスラム金融は、名目的には利子をとらないが、実質的には利子のようなものをとる金融スキームみたい。

  • バイ・アル・イナ(売買同時契約)…貸す側が借りる側から、商品を買い上げ、買値より高い値段で借りる側に売り戻すというスキーム。借りる側が買う代金は後払いでよい。
  • ムラババ…住宅ローンなどでよく使われる形態。銀行が一度、業者から家を買い取り、転売するという方式。転売額は当然、買取価格より高い。
  • ムダラバ…投資組合をつくり、配当金を得る方式。

などなど。


イスラム金融には慈善投資的なイメージを抱いていたが、現実はまったく逆でしっかり収益を得られる金融スキームみたい。まだよくわからないが、イスラム金融は、実質的な利子は取るという理解をしてよいと思う。