巨大投資銀行

同期が一気読みしたと聞き、読んでみました。
1980年代から2000年代前半までの、日本における外資系金融機関の活躍(暗躍?)を精緻な筆致で書いた本です。かなり取材をしたとみられ、フィクションを混ぜこみながらも、かなりリアリティを感じさせられる内容でした。
ソロモンが仕掛けた裁定取引の仕組みや、投資銀行のスキームなど丁寧に書かれており、金融史の勉強としてもよい本だと思います。金融業界で働こうと思っている人とか若手金融マンは必読の本だと思います。それぞれ、ソロモン、モルスタ、クレディスイスで働く3人の人物が主人公なので、業界構図や各社の特徴なども具体的なイメージがもてます(今はソロモンはないし、モルスタもあれな感じだけど)。
給料の高さから、外銀ないしは投資銀行への転職も考えなくはないですが、この本を読む限りでは、やはり虚業虚業なので、社会貢献とか仕事の意義とかに関しては諦める必要があるのかなと感じました。

巨大投資銀行(上) (角川文庫)

巨大投資銀行(上) (角川文庫)

巨大投資銀行(下) (角川文庫)

巨大投資銀行(下) (角川文庫)