官僚に関する本をいくつか

これから仕事の関係で官僚とお付き合いすることになりました。敵を知り、己を知れば…というわけで、官僚に関する本をいくつか読んでみました。

官僚を国民のために働かせる法

まずは、最近たくさん本を出している古賀さんの本から。古賀さんは、改革派官僚として知られ、たまにテレビとかにも出ているし、ミーハー心で手にとってみました。
官僚は、省益の論理で動いてるということを再確認。また、紙面の多くは、天下り批判に割かれているが、個人的には天下りがどこまで規制されるべきかはよくわからない。官僚にも何らかのインセンティブがないと、官僚の質は下がる一方だと思うんだけど。給料もあげられないどころか下がる一方だし、いったいどうしたらいいんでしょうね。

官僚を国民のために働かせる法 (光文社新書)

官僚を国民のために働かせる法 (光文社新書)

財務官僚の出世と人事

次は、官僚がどういうモチベーションで働いているのかを知りたいということで、出世と人事についての本。財務省(大蔵省)は、官庁中の官庁なので、各省庁の中でも最もエリート官僚が集ってるらしい。本書が、財務官僚に的を絞っているのは、そのためらしい。
日本のトップエリート達が繰り広げる出世レースは、その登場人物たちが個性豊かなこともあって、非常に面白く読めました。本命と目される人間がちょっとしたアヤで次官になれなかったり、ダークホースがのし上がってきたり。まさに、人生どこで何があるかわからないなって感じです。自分もまだまだ頑張らないと。
どこの企業に勤める人も、人事情報が気になるのは同じだと思います。官僚の出世レースが、やや特殊かもしれないと思うのは、ポスト間の序列がはっきりしていて、同期間での序列がレースの途中ではっきりわかってしまうところでしょうか。

財務官僚の出世と人事 (文春新書)

財務官僚の出世と人事 (文春新書)

日本の統治機構

最後はやや固めの本。とはいえ、新書なので予備知識がない私でも読み終えることが出来ました。「議院内閣制における首相は、本来、大統領制における大統領よりも強権をふるえる」はずなのに、日本は、色々なノイズにより、官僚内閣制と呼ぶべき状態に堕しているという話。政官関係の実態を、かなり詳しく書いてあり、非常に有益でした。今回は、官僚の生態を知るという目的のため、そこを重点的に読みましたが、本の趣旨どおり、日本の統治機構を考える第一歩としてもよい本だと思うので、暇があるときに、また読んでみたい一冊。

日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ (中公新書)

日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ (中公新書)