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茶と美

表紙の「喜左衛門井戸茶碗」をみて、ジャケ買い

茶と美 (講談社学術文庫)

茶と美 (講談社学術文庫)

茶道で使用される茶碗は、産地によって高麗物、唐物、和物に分類されます。一般的には、高麗>唐>和と言われていて、喜左衛門は高麗物の中でも最高峰、すなわち、茶碗の中でも最も美しいと言われている茶碗なんです(侘び茶では)。
日常的に使用する道具のなかに美を見出す民芸運動。その主唱者であり、本書の著者の柳宗悦も、この喜左衛門こそが最も美しいと述べています。
一方で、千利休が作り上げた楽茶碗は醜いと痛烈に批判。宗悦曰く、朝鮮半島の雑器であった喜左衛門には、自然に近い無造作の美がある一方で、楽茶碗は、無造作を造作したために似非、醜い。喜左衛門も楽茶碗も表面的には、無造作であるけれども、本質的には全く異なるものであって、その二つを共に美しいと考えている今の茶道会はおかしい、とのこと。
僕は、高麗物の美しさがよくわからない未熟者なので、宗悦の主張のぜひはよくわからないけれでも、茶道の標準的な価値基準に染まってしまう前に、この本を読んで本当によかった。宗悦の美学には首をかしげるところも、いくつかあるものの、宗悦の言うように、美とは知識によってわかるものではなく、直観するもの。
知識やほかの人の価値判断などに惑わされないで、自分の「直観」力を信じて、「モノ自体」の美しさを見る力を養いたい!!

早わかりサブプライム不況

非常にわかりやすく書かれていて、まさに早わかり。一部、図表とかは微妙だけど、外資系証券の調査部長が書いているだけあって、必要なことをコンパクトに。なぜ、リーマンだけが潰れたのかを分析したところは、ちょっと陰謀論めいているけど、なかなか面白かった。
なんでも、リーマンの出資者に、中東の政府系ファンド等がいなかったから、潰しやすかったんだとさ。なくはないかなって感じはするけど…真相はやぶの中。

早わかりサブプライム不況 「100年に一度」の金融危機の構造と実相 (朝日新書)

早わかりサブプライム不況 「100年に一度」の金融危機の構造と実相 (朝日新書)


なんとなく、サブプライム問題の発端とクレジットクランチがいかにして波及したかを知りたい人には良いと思う!