はじめての経済学

この本は、東大教授で、ワールドビジネスサテライトなどメディアにも沢山露出している著名経済学者による入門書。いまさら、「はじめての」という本を読むのも若干の抵抗があったが、入門書ながら中々手際よくまとめられていて、意外と勉強になった。上巻では、マクロ、ミクロ、下巻では、公共経済学、金融論、国際経済学のエッセンスがコンパクトかつ易しく書かれているため、これから、経済学を学ぼうとしている社会人や、経済学部に進学しようか悩んでいる高校生などにはお薦めです。上下は必ずしも通読しなくても理解できるので、興味あるところだけ読んでみるのもいいかもしれません。

はじめての経済学〈上〉 (日経文庫)

はじめての経済学〈上〉 (日経文庫)

はじめての経済学〈下〉 (日経文庫)

はじめての経済学〈下〉 (日経文庫)

ただ、この本は経済「学」の入門書であって、「経済」の入門書ではないので要注意。随所に、日本のデータや実例があり、現実との関連も書かれてはいるが、基本的には経済学の考え方を解説する本。多くの経済学部生が最初に困惑するのは、この経済学と実体経済との乖離というか、経済学を学んでも、実際の経済が分かった気がしないことでしょう。
僕も大学入学当時は、こうした経済学理論を学んでもイマイチ、ピンときませんでした。今になって思えば、経済の現象面、つまり、どのようにモノや金が流れているか、企業は実際に何をしているのか、株式市場とは何かということも分からないままに、いきなり、ミクロ、マクロなどの理論を教え込まれたからだと思います。まずは、こうした現象面の基礎を抑えたい方には、以下の本がお薦めです。
ゼミナール日本経済入門<第24版>

ゼミナール日本経済入門<第24版>