暴力団

島田しんすけ事件以来、暴力団に関する本が増えているようで書店でよく目にします。前から地下社会や闇権力に興味があったので、とりあえず新書で気軽に読めそうな本書を読んでみました。

暴力団 (新潮新書)

暴力団 (新潮新書)

暴力団の不思議や生態がよく分かりました。なぜ暴力団はなくならないかや、どういう人が暴力団になり、暴力団は何で稼いでいるのかなど。マフィアは顔を出さないけど、暴力団は顔を売るのがビジネスというところとかは、なるほどって感じでした。どちらも同じようなもんだと思ってましたが、根本的なビジネスモデル(?)が違うそうで、暴力団が地下組織化していくことは難しいというのが著者の考えだそうです。
警察よりでも暴力団よりでもない、中立的な書きぶりでしたが、「よい政治家、悪い政治家はいるけど、暴力団には悪い暴力団しかいない」という文章が印象的でした。これまで警察は自分たちの雇用確保の意味もあって、暴力団をつぶさないできたようですが、今の警察庁長官暴力団に対して、かなり厳しい処置をとっているようです。今後もがんばって欲しいです。


最近、TPPに対する農家や医師会などの反対運動もあって、日本の権力構造や利権構造に興味が出てきたので、暴力団に限らず、色んな既得権益を持っている集団に対する本を何冊か読んでみたいです。日本経済を立て直すには、こうした集団の排除が重要だと個人的には考えているので。