財政の勉強のための本

最近、仕事で財政の知識が必要になってきたため、何冊か本を読んでいます。世の中的にも、税と社会保障の一体改革が非常に注目されているので、そちらの議論もフォロー出来るようになれればと思ってます。財政、社会保障はとにかくややこしく、避けてきた分野なので、ほぼイチからに等しい状況です。


実は、自分がどんだけ税を払い、社会保険料を払っているかさえ、認識していない有様(ほぼエコノミスト失格?)だったので、まずは、下の一冊を読んでみました。

給与明細は謎だらけ (光文社新書)

給与明細は謎だらけ (光文社新書)

給与明細を読み解くことで、税制について解説する本です。給与収入と課税所得の違い、控除などの仕組みがよくわかりました。筆者のユーモア(?)が鼻に付く部分はありましたが、全体としてはさらっと読めるし、おすすめです。ただし、サラリーマンの所得税社会保険料に話が限られているので、税制全体に対する理解は得られません。


というわけで、読み進めているのが、以下の2冊。鈴木亘先生は、最近、社会保障や年金の本を沢山書いている売れっ子。西沢さんは、「年金は誰のものか」という本がよい本だったので手にとってみました。

財政危機と社会保障 (講談社現代新書)

財政危機と社会保障 (講談社現代新書)

税と社会保障の抜本改革

税と社会保障の抜本改革

鈴木先生の本は、かなり一般向けに書かれていて、予備知識なしに読み進められます。彼は、市場主義者のようで、医療や介護の分野における規制改革を一連の著作で主張しているのですが、この本もそんな感じ。それに対する賛否は別にして、この本を読むと日本の財政がいかに危機的状況にあるかが理解できる…はず。


西沢さんの本は、かなり硬派で本格派。SNA統計などを駆使しながら、年金や医療保険などの制度とキャッシュフローなどを解説しています。私は、「社会保険料を納めているのに、なぜ、一般会計の最大の支出が社会保障費なのか。なぜ、社会保障費を消費税で補填するのか」というあたりがよく分かっていなかったのですが、この当りの疑問が氷解しました。期待にたがわず、とても良い本だと感じてます。もう少し読み込んで、ちょっとずつ、ここの日記で内容を紹介しようかな、なんて思ったり思わなかったり。。
ただ、制度の解説などが、少しマニアックなので他の本でちょっと知識をつけてから、読むのがよいと思います。具体的には、上にあげた鈴木亘先生の本とか、以下の本がおすすめです。この本は、ジュニア新書ではあるけれど、大人でも十分楽しめる内容でした。

財政のしくみがわかる本 (岩波ジュニア新書)

財政のしくみがわかる本 (岩波ジュニア新書)


これらを読み終えたら、教科書的な本と、昨年話題になった「国家は破綻する」を読んでみたいと思います。