「日本国の正体」を読む

1月9日に続き、官僚本を読んでみました。今回は、東京新聞論説委員でありながら、各種諮問会議でご活躍された長谷川幸洋さんの本。埋蔵金男の高橋洋一さんと仲良し、という時点で本の内容がなんとなく想像がつきます。ただし、単なる官僚批判のみならず、新聞記者がいかに官僚のポチになりはてるのか、という自己批判的な部分もありました。

副題にある「本当の権力者は誰か」というところや、記者であるところから、権力のディープな内幕をうかがい知れるものだと期待していましたが、かなり期待はずれ(勝手な期待ですが)でした。
たとえば、中川昭一事件や高橋洋一事件などは、官僚が暗躍したのではと推測しているものの、材料はほとんどなく、陰謀論的な記述にとどまっていました。全体をとおして、こんな感じで、記述も繰り返しが多く、1章だけ読めば十分かもって感じです。官僚が真の権力者であるかのように描かれていますが、私が知る官僚の実態とは少しかけ離れているように感じました。
私見ですが、日本の政治システムが機能しないのは、官僚制が悪いのではなく、一重に政治家が無能だからだと思います。この辺のところは、また機会を改めて。